神奈川県、日本健康会議、神奈川県医師会が共催する「かながわ未病改善・健康会議~日本健康会議in神奈川~」が2月6日(木)横浜市のホテルニューグランドを会場として開催されました。
この「かながわ未病改善・健康会議~日本健康会議in神奈川~」には黒岩神奈川県知事、日本健康会議共同代表横倉日本医師会長、菊岡神奈川県医師会長など、共催者、保険者団体、経済団体、自治体の各関係者や神奈川県民など約200名が出席しました。
会議は共催者を代表して黒岩神奈川県知事、菊岡神奈川県医師会長の挨拶があり、その後来賓として加藤厚生労働大臣からビデオメッセージが寄せられました。
その後会議は別紙プログラムのように横倉日本医師会長や厚生労働省保険局山下課長などの講演をはじめ、神奈川県が提唱する未病の改善の施策や、県内で健康増進や健康経営に積極的に取組む法人や団体の施策や取組みの発表など活発な議論がなされました。
以下動画議事録を掲載します。
あいさつ 黒岩祐治 神奈川県知事
あいさつ 神奈川県医師会 菊岡正和 会長
加藤勝信 厚生労働大臣 ビデオメッセージ
講演 「持続可能な社会保障にするために」
日本健康会議共同代表 日本医師会 横倉義武 会長
講演 「日本健康会議の目指すもの ~健康なまち・職場づくり宣言2020の達成状況~ 」
日本健康会議事務局長 渡辺 俊介
講演 「神奈川県と一緒に進める健康なまち・職場づくり」
厚生労働省医療介護連携政策課 山下護 課長
講演 「未病コンセプトが目指す社会」
首藤健治 神奈川県副知事
取組発表 「企業・医療・自治体の協働による未病改善の取り組み」
平塚市健康・こども部健康課健康づくり担当 萩尾みゆき 課長代理兼担当長
取組発表 「横浜YMCA健康経営のこれまでの取り組み~専門性を活かしたあそびごころから。やれば楽しくなる。~ 」
横浜YMCAスタッフの健康づくりプロジェクトリーダー 吉永貴弘 藤沢YMCA館長
取組発表 「ファンケルが推し進める健康経営~『社内の取り組み』から『社会の不の解消へ』~」
株式会社ファンケル 青砥弘道 執行役員
ディスカッション
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(要旨)
本会議は、健康・長寿社会の実現を目指して経済界、医療関係団体、自治体、医療保険者などのリーダーが手を携え取組んでいくことを再認識する場です。
この国の最大の課題は急速に進む超高齢社会です。これを乗り切るためコンセプトとして未病という考え方を打ち出しました。真っ白な健康があって真っ赤な病気があるのではなく、白から赤へとその間がグラデーションのように変化しているとの考え方です。このグラデーションのどこにいても、少しでも白(健康)に持っていくとの考えが未病改善の取組みです。白赤モデルからグラデーションモデルへの大きな価値転換です。
今世の中が騒然となり、横浜が現場となっている新型肺炎は感染症で、白赤モデルです。一方、我々の超高齢社会が直面している認知症、糖尿病、癌などはグラデーションで変化しているということになります。これに対応していこうというのが未病のコンセプトです。これまで未病サミットを三回開催してきました。去年11月の未病サミットで、未病指標というものを提起してもらいました。今グラデーションのどこにいるのかを数値で示していただくよう、これをWHOと東京大学の先生たちに3年間かけて開発していただき発表しました。これを本年3月から実際に皆様が使えるようにします。この未病指標の数字がでればそれを改善しようとするといった行動変容に繋がります。我々はこれを期待しています。
いまや未病は時代を変えようとしています。本日の会議がこれを大きく前進させる原動力になることを期待しています。
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(要旨)
健康寿命の延伸と適正な医療の提供を目指し具体的な行動をおこなっている日本健康会議が、全国各地で開催している地域版日本健康会議がこの神奈川県で開催されることは県民の皆様にとっても重要な機会になると思います。
県民の皆様が健康寿命を延伸するには生活習慣病の予防が大切です。そのためには健康に不安を持った際にいつでも相談できるかかりつけ医を持つことが重要です。そしてかかりつけ医の医療機関で毎年行われる特定健診、特定保健指導を受けて頂くことが生活習慣病の予防に重要です。また、たとえ生活習慣病なってもかかりつけ医に相談すれば適切な専門医療機関を紹介するなど重症化のリスクを減らすことができます。
このような健康な生活をおくるために頼りになるかかりつけ医につきまして、日本医師会ではかかりつけ医機能研修制度を行っているほか、行政の諸政策の中にも多く目にするようになっています。また医師会の事業として欠かせないものとなっています。
実際に長生きするのは県民の皆様です。医師会は昨年7月健康寿命延伸に関する講演会を開催しました。その中で東京大学の飯島教授にご講演頂き、フレイル予防は「人と人とのつながりが重要である」ということをデータで示していただきました。生活習慣病予防やフレイル予防をしても、人々があらゆる分野で活躍できる良好な環境が無ければ宝の持ち腐れとなります。
高齢化社会において日本を元気にするために一人一人が活躍できる土壌の構築を皆様の英知を集めこの神奈川県から発信していくことがこの会議の意義に繋がると思います。
神奈川県医師会としても県民の皆様の力になれるよう鋭意邁進いたします。
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(要旨)
神奈川県では未病のコンセプトに基づき、健康寿命延伸に積極的に取組んでいただいています。2040年に団塊ジュニアが高齢期をむかえる時代に向けて誰もがより長く健康で活躍できる社会の実現を目指すことは重要な政策課題です。政府も健康づくり無関心層へ新たな仕掛けでの取組みや、全世代型の社会保障の議論の中で予防・健康づくりが重要であることを盛り込むなど、予防健康づくりに向け様ざまな施策を推進していきます。本日のこの会議を契機として未病の改善など神奈川県民の予防・健康づくりの取組みが一層浸透しさらにこうした取組みの輪が全国に広がることを期待します。